2023年8月15日火曜日

224 佐田岬:真夏の太陽と片岩

 佐田岬の先端にいく道には、海岸に出れるところや露頭が見られるところがあります。国道から県道になるとなかなか大変道でした。夏の真っ盛りに、佐田岬には、三波川変成岩を見るためにいきました。


 現在滞在している城川町の中心部には、国道197号線が通っています。この国道は、少々変わった道になっています。高知県高知市から大分県大分市までになっています。高知市、土佐市、須崎市、津野町、檮原町、鬼北町、そして西予市城川を通り、大洲市、八幡浜市から伊方町の佐田岬半島を通っています。ところが、伊方町三崎からは、海の道(海上区間)になっていきます。海の道は、民間の国道九四フェリーが運行していますが、夜間も動いています。海の道で九州の大分県佐賀関にいき、その先、大分市まで続きます。国道197号線は、海を通る道です。
 さて、国道197号を使って、7月の末、佐田岬にいきました。一番暑い時期ですが、晴れていたので、家内と一緒にでかけました。
 佐田岬半島の三崎までは、国道197号が使えます。三崎から先は、県道256号を進むことになります。佐田岬までは、県道256号の狭い道を進みます。そして行き止まりには、駐車場があり、そこからは1.8kmの山道を歩いて岬の先端までいくことになります。岬は観光地となっています。ところが、この山道も県道になっており、佐田岬のキャンプ場まで続いています。もちろん、歩道は車が通れる幅がない狭い山道です。
 この山道は、上り下りがあり、行きは下りが多いのですが、それでも暑い日なので、岬に着く頃には、汗だくになりました。帰りは、暑さでヘトヘトで駐車場に戻ってくることになります。サバティカルの最中に、佐田岬にはぜひ行きたかったのですが、再訪することはないはずです。暑かったのですが、先端までいってきました。
 以前来たときより、案内看板も充実しており、道もよくなっているように思えました。モニュメントや展望台などの施設も整備されていました。軍の施設の保存や維持もされています。道は整備されていましたが、春や秋の涼しい時なら良かったのですが、猛暑の時期の往復は厳しかったです。家内はヘトヘトになり、途中の道の駅で冷たいものを補給しました。
 佐田岬の先端は、御籠島(みかごじま)になっているのですが、島と半島の間を堤防でつなぎ、陸続きにされています。堤防の中には、「畜養池」という大きな生け簀のような施設になっています。ただし、この池は、2010年以降使われていないようです。現在もきれいな海水が溜まっており、いい施設なので、もったいないような気がしましたが。
 佐田岬半島の海岸は、切り立った崖になっていることが多いのですが、入江になっているところが、いくつもあります。そこには小さな港がつくられています。入江のあるところは、特徴的な地形になっています。
 佐田岬半島は、大まかに見ると、直線的な地形で東西に細長く伸びています。全長は40kmほどになっていますが、広いところで幅が約6kmで、狭いところで1kmほどしかなく、細い半島です。西側半分は細く伸びた地形になっており、東側の半島は入り組んで、特に北側の海岸は入り組んでいます。そこに港がいくつもあります。この地形は、リアス海岸の特徴となっています。リアス式海岸は沈降地形なので、地質変動を受けているはずです。
 大きな地質変動は、北の瀬戸内海側の8km沖に中央構造線が走っているために起こっているようです。中央構造線は、西南日本を代表する大きな構造線で、全長400kmを超える右横ずれ断層です。
 半島の北側の海底に、中央構造線があります。その周囲には、沈降域や隆起域を伴った凹凸がいくつもあります。リアス式海岸の先に、東西に伸びる海底谷があり、その先に中央構造線があります。
 中央構造線の北と南では、全く異なった地質となっているので、その変位は非常に大きなものだと考えられます。北側は和泉層群と領家帯に、南側には三波川変成帯になっています。
 半島は、三波川変成帯になっており、主に緑色片岩からできており、一部に石灰質や泥質、砂質の片岩ところもあります。いずれも片岩で、ペラペラした岩石なので、地すべりを起こしやすくなっています。
 佐田岬の先端の御籠島で、観光施設があり、そこは今でも手がいれられていました。行った日に作業されている方がおられました。聞いたら、先端に開けられた洞窟に、日本軍の砲台のレプリカがあり、それを補修しているそうです。海に面しているので、定期的に手入れが必要だそうです。この暑い中歩いてくるのが大変だと思ったのですが、許可をもらって原付きバイクで、近くまで来ているとのことです。
 瀬戸内海の伊予灘は、おだやかにみえる海ですが、その底には巨大な構造線があります。その構造線が、半島の地形、特徴をつくっています。三波川変成岩からできた半島。岬の海岸で三波川変成岩をみました。三波川変成岩は夏の太陽に輝いていました。触ることもできないほど、熱くなっていました。この時期ですから仕方がないのでしょう。あまり長居すると、熱中症になってしまうかもしれません。無理せずに戻ることにしました。伊方には、四国電力の原子力発電所が、北の海に面してあります。戻りは、暑さでもうろうとしながら、そんなことを考えながら帰路につきました。

・軍の施設の記憶・
佐田岬の先端や御籠島には
第二次大戦時代の遺構が残されていました。
それらが観光用に整備されていました。
前回来たときは、三波川変成岩の記憶、
きれいな景観の記憶しかありません。
それは初春のせいだったのでしょうか。
今回は、暑い夏の日差しの中で見たためでしょうか。
昔の色褪せた映画のいち場面のように
記憶されていました。
すべて季節のせいなのでしょうか。

・お盆ですが・
お盆です。
今年は城川の自宅でじっとしています。
毎年、お盆だからといっても
なにもしないことが多いのですが、
コロナ禍もおさまり、
今年は人出が多くなっているようです。
あちこち、混んでいるので、
地元でのんびりとすることにしています。